「エコ」って? (其の2 電気自動車-BEV)
今日の、お題は、「其の2-電気自動車-BEV」についてだ。(其の1-鯨 に続く)
1、ガソリン車が‘悪く’て、電気自動車(BEV)がそんなにイイのかな〜?
2、よく見聞きする言葉、“EV”、“EV化”がある。
3、覚えることはないが、知っておくと良い。「electric vehicle」の頭文字であり、その
前のBは、付けなくてもいいが、“battery (バッテリー、蓄電池)の頭文字。
4、走行中CO2(‘炭酸ガス’、化学用語で‘二酸化炭素’と言うが同一のものである)を出す
「G 」は、複雑な“内燃機関”の エンジンを持つ[internal(内部) combustion(燃やす)
Engine(機関)]ものであり、具体的に言うと「 ガソリンと空気を圧縮して爆発させた
ガス によりシリンダー(円筒)内のピストン(円筒内にはめ込まれた筒型の栓)を 復運動
させ、これを車の回転運動に変える。
5、走行中CO2を出さない「E」は、エンジンを持たず、バッテリー(リチュウム蓄電池)に
充電された電気でモーター(電動機)を動かす。バッテリーが“肝“(きも)で、部品数も、
「G」に比べ少なく、“車”の専門外-門外漢、普通の電気屋さんでも容易に新規参入が
出来る。
6、「走行中CO2を出さない」この一点に絞って、EU(30カ国近い欧州連合)、英国、米国
中国が、国策として”CO2を出さない地球に優しいエコカー“と言うフレコミで生産を
奨励し、購入者には補助金まで出すことを決めたのである。
7、遂には、2035m年迄に、「G」及び「ハイブリッド車」(以降「H」と言う。2種のパワ
ー の組み合わせを言う、即ちガソリンエンジンとバッテリーの電力で動くモーターを
搭載)までを全廃とした。……そこまでする必要があるのかな〜?
8、欧米-中国は、何故そこまで急いで“EV化”を押し進めるのか?
“地球温暖化”阻止のため炭酸ガスを出す「G」より炭酸ガスを出さない「E」を奨励
するのは分かる。だが、地球温暖化の原因は一つではなく、多岐にわたる筈で確たる
ことは分からない。地球上から「G」を追い払えば、地球温暖化が劇的に止むとは思
えないのだ。……、新しい自動車産業の‘覇権’を狙うチャンスとみた各国の政治的思惑
が絡んでるように思えるのだが………。
9、一説には、圧倒的な強さを誇る「G」-「H」の「日本車潰し」ではないかと、まことし
やかに囁かれていると聞く。特に、「G」の世界一販売高を誇る“T社”の「H」は、その
耐久性、燃費の良さ、それに、‘特許’多数を公開してるのにも拘わらず、その複雑さや
緻密さ故に真似の出来ないスグレモノなのだ。
10、ところが、2023年になって、『風向き』が大きく変わってきたのである。
イ) 「E」のハコモノ(車体)製造時にエネルギーを使いCO2を出してるではないか。
ロ) 一回の充電バッテリーの走行距離が短い。長距離走行に2回、3回の充電を要す。
ハ) 家庭内、国中に充電所を設置する必要があるし、その膨大な電力を用意するとなる
と化石燃料(CO2を出す、石油、天然ガス、石炭など)に一部頼るほかない。
ニ) 「E」のバッテリーの主要原料は、鉱石から取るリチュウムで、これだけでなく、
放射性物質や有毒物質を持つニッケル、コバルトが必要だ。これら鉱石の採掘には
環境汚染問題を抱えるため先進国は、途上国任せで自らは採掘しない。
ホ) バッテリーの劣化は徐々にではあるが‘早い’。「G」の寿命は10年以上はザラだ。
ところが、バッテリーのそれは、メーカーものにもよるが、「G」の半分もいけば
いい方だ。車の“残価率”(使用済みの中古の売値)では、日本車の「G」が、圧倒的に
「E」のそれを上まる。
更に 言えば、「E」の“廃棄 ” にもリチュウムは、押圧や衝撃で 、容易に発火する
ことに要注意だし、有毒物質の除去など未解決
へ) 最近の2つの中国の“動画“は、衝撃的だった。
1つは、充電器のある場所に延々と行列を作る「E」、もう1つは、バッテリー劣化
のため使用を止めて野積みにされた山のような「E」。
この2つに、リチュウム鉱石採掘の「絵」を添えると、……中国がこの機に乗じて“
「E」の主導権を取ろうと突っ走ってる姿が垣間見える。
ト) 「E」の歴史は、たかだか20年だ。 昨年までは、北欧、中国が先行していた。その
中国、“テスラ” で有名なイーロン・マスク(米国)を呼び込み、国内勢の“BYD“とと
もに飛ぶ鳥を追い落とす勢いだった。テスラの時価総額(株価x株式数で、高いほど
よい)がトヨタを抜いたと喧伝された。だが、今年になってどうだ、「E」のデメ
リットが明らかになるにつれ、時価総額は半減、株価は500ドルから100ドルへ急
落 した。
チ ) ここにきて、“トヨタ”の「全方位戦略-変化への対応」が一部専門家の間で脚光
を浴びている。 つまり、「G」も「E」も併存させるやり方である。
先進国でないアフリカ-中東の途上国は、燃費が良く悪路にも耐える頑丈さを持つ
「G」がなくなったらどうするのだろう? チョット前で一台一千万円もする
「E」を買える人はごく少数だし、国中に充電設備を整えるなんて10年かけても、
先進国であっても疑問符が つくと言うものだ。
「G」も残しながら、 次世代バッテリー(全固体電池)やらCO2を出さない 水素を
燃料とする水素自動車の開発を続けながら徐々に「E」の普及を図ることだ。
『急がば回れ!』、『急いてはことを仕損じる』だ。
2023、05、20. じいじ。