「語るに落ちる」とは?

“気球”と言っても、‘そんじょう、そこらのチッポケな気球’とはワケが違う巨大な気球だ。

なんせ、高さ何十メートルもある熊本城ぐらいの大気球が米国上空にゆっくり漂い現れた。20キロ上空の気球の下は、モンタナ州の米軍の重要空軍基地だ。

米国民は、仰天した。……第二次世界大戦時、敗色濃厚な日本軍が苦しまぎれに放った“風船爆弾”の記憶が蘇ったのか?……特に,保守色の強い‘共和党“議員が騒いだ。

「なんだアレ」、「誰が飛ばしているのだ!」、「何をしてるのか?」「写真でもとって

情報を盗ってるのか?〜もしかして、中国か?」、「気球と連絡は取れないのか? CIAに

調べさせろ!」、「撃ち落としてしまえ!……まてよ!中に’細菌‘でも入っていると〜!

…気球の破片が落下して〜!」……実は、日本にも、コレとそっくりな気球が発見されており、最近では宮城県で現れ、自衛隊機がスクランブルをかけ飛び立ち接近して無人機の気球に向かって’誰何(すいか)‘した。

”モシモシ“……‘返答ナシ’、自衛隊機は、翼を振り威嚇するも‘反応’ナシ……これ以上のマニュアルもないし、当の自衛隊機はスゴスゴと帰投した。正解である。ーーコレを撃墜などしようものなら、日本国中、蜂の巣を突いたような’大騒ぎ‘となる。ーー一部のメディアは’拳‘(コブシ)を挙げる…「攻撃もせず、無抵抗な’モノ‘を撃ち落とすなんて、神聖な’憲法違反‘だ、だから、自衛隊は〜」、一方、(‘アノ国‘のモノでは?と疑うも口には出さぬ)こころ優しき大多数の日本人は、’真っ当な意見‘に見えるがその実、無責任な声を挙げる…「黙って、通り過ぎるのを待てなかったのか?」と。

結局、政府は、当の自衛隊員を呼び出し、「物言わぬ‘モノ’が、どうやって我が国民と財産の安全を‘脅かしてる(オビヤカシテル)‘と判断したんだ?」と禅問答を繰り返し、難詰(ナンキツ)、“辞職”に追い込んでしまうかも知れないのだ。

ーーだが、米国政府の決定は日本とは違った。至極、真っ当で常識的なものだった。

1、先ず、中国政府に問うた。

2、中国政府は、“うちのモノではありません”と「否定」した。

3、数日後、中国政府は白状した。『中国国内の民間企業が’気象研究用“に飛ばしたところ

       偏西風に乗り、貴国に迷い込んだようだ。”遺憾“に思う。』と。(中国が‘自分のもの’と認め、且つ”遺憾“を表明したのは、史上初とは言わないまでも稀有なことだ。(ー日本政府は、どんなに名誉を傷つけられようと領土を盗られようと対抗策を実行すること なく”遺憾砲“を乱発するだけだがー)。 更に、中国に、西側諸国で言う、”民間会社“なるものがあるのだろうか?その民間会社なるものが”気象研究”のため ‘熊本城’ほどの巨大な気球を中国共産党独裁政権の許可なく飛ばせるものなのか?是非ともその民間会社の名前を公表して欲しいものだ。

4、”中国からのモノ“との確認後、米国は気球“が海上に移るのを待ってF22戦闘機にガラ蛇の異名を持つミサイル‘サイドワインダー5千万円)一発で撃ち落とした。 (’機銃掃射‘しても巨大な気球のガスが抜けるのに時間がかかり落下地点が不明となる)

5、気球が撃墜されたとの報に、中国は、激昂(ゲキコウ、激しく怒ること)した。

 「強烈な不満を表明するとともに、民生用の無人機に対する米軍の攻撃に抗議する。対抗措置の権利を留保する。」……人が激しく怒り狂うのは、‘痛いところ’を他人から突かれたときに起こるものだ……

6、米国発表。「落下した気球から“太陽光パネル”が発見された。」更に、「米国領空に飛来したことは、’米国主権の侵害‘だとの議会の共和党の声に押さ れ、“ブリンケン国務長官( 日本の外務大臣)の数日後に予定していた“訪中” を延期した。…その後、「通信傍受用アンテナ」が、見つかった。

 今後、次々偵察用機材が見つかるかもしれない。

 地上からの微弱な電波を拾い、その後どうやって中国国内に取り寄せるかについては 後々の研究課題とするとして、明らかに“気象情報・研究“用とは異なる”偵察・スパイ”用の証拠機材が発見される度に、米国の”対中世論”は 硬化する。そして、 発見された機材の中から日本製の部品があれば、当該部品メーカーは、後々の‘制裁’を覚悟しておいた方がよい。

       

                           

 7、以上の1〜6の米中のやりとりを、表す『一句』を紹介しよう。それは……

       『語るに落ちる』だ。

   この意味は、「この米中のやりとり」は、“語るに値しない”と言う 意味ではない。この『語るに落ちる』の句は、もっと長い句を省略した“句”なのだ。

  『問うに落ちず語るに落ちる』の省略句なのだ。

          悪事を働いたとおぼしき‘容疑者’を、取調官が訊問(問う、質問する)する場面 で説明しよう。‘落ちる’は、‘白状する’の意、‘語る’は、容疑者が、自ら進んで調子に乗ってせっかく“秘事”にしていたことを洩らす、不注意で白状 した意。

 これを、まとめると。ー『他人から詰問されると、“絶対にオレではない”と落ちることはないが、自ら喋り出すと次から次へと“ボロ”が出て、自白することになる。』―

8、ここからは、年長組の孫達へ!

  1. 領空とは、

  ある国の地上から100キロの範囲内のことで、許可なく侵入すれば、撃ち落とされても文句は言えない 。(このことを“領空には、その国の‘主権’があると言う)

 通常の旅客機は、10キロ(10、000メートル)上空にいる。今回の“中国の気球”は、上空20キロ(20、000メートル)にいて、旅客機とはすれ違わないところだ。更に、その上空100キロを越えたところは、‘領空’ではなく。‘宇宙’であり、各国の‘主権’がおよばぬ空間なので、各国の人工衛星が自由に飛び交うところだ。中国の衛星も勿論 、飛行しており、そこから地上を 空撮できる。だが、猛烈なスピードで飛行する人工衛星から撮られた 瞬間の画像である‘空撮’で盗れる情報には限界がある。もっと地上に近づき、空中停止までいかなくとも、ユックリ漂い、電波を拾うには……“気球”があった。気球からなら、画像は鮮明だし、微弱な電波も拾える。だが、そこから先はどうするのだろうか?………例えばの話だが、気球で受けた微弱な電波内容を人工衛星に送り、そこから国内に転送は可能

 b、サイドワインダーとは?

 蛇は、‘熱’を発するものに向かう。”ガラガラ蛇“の異名を持つ‘ミサイル’(熱やら赤外線を発して‘動くもの’を追尾し、蛇行しながら目的物に命中して破壊する誘導兵器)であるこの「サイドワインダー」を、F22戦闘機に載せて、”巨大気球“が海上に移ったところで、この気球に向けて発射した。F22戦闘機は、上昇高度が世界一の米軍の戦闘機だ。だから、地上20キロの気球に近づける。

  一撃墜された気球の破片は、続々と回収され、中国にとって不都合な事実が明らかにされ るだろう。一発5千万円の高価なミサイルだが、十分、元は取れるだろう。

 

 ※ ”空対空“ミサイルーーサイドワインダーのように、航空機から飛行物体に打つ

     ”地対空“ミサイルー地上から航空機に向けて打つ

     ”地対艦“ミサイルー地上から艦船に向けて打つ

以上 、この稿、終わり。

2023、02、11。